2019年5月28日火曜日

好きな風景in久留米(2)荘島

先週の土曜日は末っ子の運動会だった。
5、6年生が披露した組体操の後半に踊ったリトグリ「世界はあなたに笑いかけている」のダンスは上手だった。いや、上手な子も下手な子もいたけど、みんなの笑顔が超絶ステキだった。私らの頃って、ダンスとかいうとオクラホマミキサーも含めて照れやら反発やらでまともに踊らなかった記憶があるけど、今の子たちは段違いだな〜、と実感。それぞれが精一杯に表現しようとして、それがストレートに表情や動きに出てて、本当に良かった。

さて、先日1回目を掲載して好評だった「好きな風景in久留米」。2回目は荘島。

生まれ育った街角。
ずっと慣れ親しんできた風景だけど、気をつけて歩くといろんなことに気づく。

明治時代の洋画界に大きなインパクトを残して夭折した天才画家・青木繁の旧居(生家ではない)がある荘島町の一角。漢字の「目」の字をそのまま地図に落とし込んだような町割りは、江戸時代、下級武士が住んでいた。もちろん青木の家もそのクラスで、暮らしは決して裕福ではなかったという。

周辺は「目」の字の周りにクランク状の路地が接続している。城下町の道路の特徴といえば、「丁」字路…十字路ではない突き当たりのある交差点、それに鉤(かぎ)型に曲がった道。足下の標識をみれば、現在の住宅が建っている敷地は、当時の道路との境界線より数十センチほどセットバックしているのが分かる。元の道路は1間(約1.8メートル)程度の幅しかなかった。たぶん肩が触れ合うようにして往来していたのだろう。
今の青木旧居は立派な戸建なのだけれど、江戸時代は長屋風の建物がギッシリ建っていたと想像できる。当時の生活ぶりは時代劇の下町、町人の奥さんたちが洗濯や井戸端会議をしている風景を思い起こせばピッタリかも。

そんな想像を膨らませながら歩くと楽しい荘島の街並みが大好きだ。差し詰め久留米のダウンタウン。都心部にありながら、中心市街地活性化政策の対象エリアから外れているため大きなマンションも建たない。それはそれでまた違う機会に。夕方から夜に散歩をしていると、それぞれの家から漂ってくる夕食の香りとか入浴の音とか笑い声とか、とにかく生活感があふれていてお互いの顔がよく見える、そんな街だ。


ちなみに小学校から北側は空襲で焼失後に区画整理されたため、雰囲気がガラリと変わる。戦後復興で建設された、もともとはヤミ市だったという明治商店街は相変わらず昭和のテイストいっぱいの一角なのだけれど。
そんなコントラストの対比が楽しめる荘島。ぜひ一度、歩いてもらいたい。

2019年5月18日土曜日

二種免許取得への道(4)卒業検定

途中、好きな風景の話も挟みつつ、二種免許取得のためのあれこれをつらつらと。
しかし週末に頑張ると、なかなか疲れが回復しきれないねぇ。前は寝さえすりゃ大丈夫だったんだけど。睡眠の質とかも影響してるのかも。

…でもって卒検の路上検定。
緊張する間もなく構内での検定は終了。トップバッターの私がハンドルを握り、路上での検定へと移る。
2日前に注意された、自動車学校を出る時の一旦停止。ほぼ必ずと言っていいほどトラックが路上駐車をしている場所での転回(Uターン)を経て、坂道の途中の交差点へ。ここが赤信号だと坂道発進が少々面倒なのだけど、奇跡的に青のまま、つまり坂道発進をする必要もなく通過した。続く市街地の細い路地も、この日に限っては人通りが少なく難なくクリア。交通量の多い国道に出る交差点は、信号で右折の矢印が出るまで辛抱強さが肝心、あせりは禁物。途中、検定員が何やら書き込む仕草が気になるものの、知ったこっちゃない。お構いなく先へ(たとえ知ったところで、どうしようもないワケで)。

良かったのか悪かったのか、合否もさっぱり分からないまま2番手のMさんへ。
MTの操作に苦労してた若手・Mさん。あろうことか、なんと2回のエンストで不合格の結果に…問題となったのは、やはり交通量の多い交差点での右折。自分だったらやはり右折信号が出るまで待つところ(その方が、たとえば右折後の横断歩道に歩行者や自転車がいるなどのリスクもかなり回避できる)。ところがMさん、なぜかやたらと「先急ぎ」をしたがっていた。その間、ギアはセカンドに入ったままだったらしい。検定員はチラチラと視線を送っていたらしいんだけど、Mさんは気付かず。もちろん私も分からなかった。MTを運転した経験がある人なら分かると思うが、セカンドでも気をつけてさえいれば十分にスムーズな発進が可能だ。でもローにしないまま発進したおかげで、1回目のエンスト。そして気を取り直してセルを回して、再発進…しようと思ったら、焦ったのか2回目のエンストをやってしまった。
即、検定中止…にはならず、そのままコースを走行し、とりあえず完走して3番手のKさんへ。ATのKさんのコース、私は一度も走ったことなかったんだけど、かなり複雑で道も狭い。結果的に今回、3人が走らなかったCコース以外では私が走ったAコースが一番簡単だった、という印象だった。

それはともかく、検定後に検定員からもらったアドバイス。
「一旦停止のところで、ちゃんと止まってから確認しろって言うたやろが」
つまり、減速しながら確認するのではなく、ちゃんと止まった後に安全確認をしなきゃダメ、ということ。これと制限速度を無視して(←表現には一部、誇張が含まれますw)速度超過気味になってしまうことはこれまでのちょっとした癖だったんだけど、検定までに直すことができなかった。
Mさんは検定直後に気を取り直して翌日の補講の申し込みをしていた。2日後には晴れて検定に合格したと聞いた。良かった。

一種の時にそうしたことがあったかどうかは覚えていないのだけど、校長室で「卒業式」というものがあった。卒業検定の合格証(試験場の学科試験の時に必要になる)を校長から受け取る時に言われたこと。

「二種免許は運転免許の最高峰。プロドライバーとしての自覚をいつまでも忘れず、常に確認を十分に行い、安全運転を心がけてください」

自分の中では大型免許も十分に難しく、二種に“最高峰”という形容詞が当てはまるかどうかわからなかったけど、言われてみれば、免許を取得してから、あれだけ真剣に運転について学んだことはない。たとえば車庫入れなんかも、以前とは比べ物にならないぐらいスムーズに出来るようになったし、各種の確認作業もマメにやるようになった。何よりお客さまの命を預かって走っているという緊張感は、いつまで経っても“慣れる”ものではない。プロとしてハンドルを握るということは、技術的なもの以上
に、そういう心がけが大切なのだと思う。

2019年5月14日火曜日

好きな風景in久留米(1)久留米市美術館の休憩テラス

土曜日は遅くまで乗務の後、午前中はまち歩きプログラムの「ブラモリ」で荘島エリアを歩いた。その後タップリ寝てたんだけど、翌日も何だかんだと歩き回って(途中でタウンマネジャーの久保さんにも捕まってたしw)結局、更新できず。月曜日の待機中にこの下書きを作っているところ。

タクシードライバーへの道というタイトルで書いてきたけど、ちょっと中だるみ気味なので、閑話休題的に好きな風景を紹介。思い出したようなタイミングで続けていきたい。

石橋文化センターの中にある久留米市美術館の休憩テラス。まだ石橋美術館時代、もう10年以上前に新設された(…と思う)コーナーで、2階の中央奥にある。
市美術館で開催される展覧会は、だいたい100点程度の規模、一つひとつをじっくり、丁寧に観るとまた別だけど、おおよそ1時間~1時間半ぐらいで鑑賞し終える。そのちょうど真ん中あたりに現れるから、質の良いソファに身を沈めて、ちょっと休憩……してると、この前は20分ぐらい微睡(まどろ)んでしまった。人も少ないし、静かだし、適当に日が差し込むし、ヒルネ…いやいや休憩には打ってつけの場所だ。

写真は今年の初春のもの。
季節ごとの花や、今であれば若葉の柔らかい黄緑色が美しい。
完全空調の館内は、何の「色」も付いていない。でもここから外の風景を見ると、不思議なことに、たとえば緑の生々しい「匂い」が伝わってきそうな気がする。大きな窓枠という額縁で切り取られた上質な風景画を観るようで、何とも癒された気分になるのは私だけじゃないだろう。

さすが美術館。

こんな贅沢を楽しめる場所が身近にある久留米は、やっぱり捨てたもんじゃない。

2019年5月9日木曜日

二種免許取得への道(3)

さて、自動車学校同期入校の2人。
遠来組のKさんは私より年上。この先、MT車を運転することはないだろうと、AT限定の二種免許を目指す。もう一人のMさんは不惑ちょい前ぐらいの年齢で、こちらは限定無し。ふだんはAT車しか運転しないので、私以上に苦労していたようだ。

自動車学校には一種免許を取りにくる若いおにーさん、おねーさんはもちろん、大型を取得するために来た30~40ぐらいの人まで、結構いろんな人がやってくる。

途中、やたら運転がギクシャクして何度もエンストする大型教習車を見かけた。教官に尋ねると「ありゃ、AT限定で普通車に乗っとった人やんね」とのこと。大型にはAT限定というカテゴリーは存在しないため、MTの操作に慣れるまでに時間がかかる人が少なからずいるという。一筋縄ではいかない。

二種免許の実技試験(自動車学校の卒業検定)では100点満点からミスをする度に減点されていって、終了するまでに80点以上あればめでたく合格となる。一種は70点以上だから、その分ハードルが高い。
例えば、先に紹介した鋭角やクランクなどでの脱輪や、方向転換(俗に言う車庫入れ)でのポールタッチ、駐停車禁止場所での違反、一時停止違反などをすれば即アウト。補習後、再挑戦となる。

卒検は、同期入校の3人が一組になって、みんな同じクルマに乗り込んで受ける。他のメンバーの検定の様子を見学するわけで、運転する方はなかなか緊張する。
検定ではまず鋭角や方向転換などを含む構内のコースを走る。先述のように同期はAT限定の人もいるので、途中で車を乗り換える手間が生じ時間もかかるるが、それはやむを得ない。検定の順番は私が最初。構内の運転は緊張する前に終わってしまったような感じで、恐らく3人とも減点ナシでクリアした。

路上の検定コースは4つ。
A~Cは自動車学校を出発してA→B→Cとスタート/ゴールが連続していて、大回りに自動車学校に帰ってくる。Dは単独で自動車学校近くからスタートして別の場所がゴール地点。三人ともAT限定/限定ナシしかいない場合はA~Cを順番に回り、別の種類の人が混じっている時は、いちど自動車学校に戻ってきて車を乗り換え、Dを使うのだそうだ。
私たちはMT2人、AT1人なので、ABDというコース順。ホントはCが交通量が少なく、Uターンも切り返し無しで通過できたりと一番簡単だったんだけど、しょうがない。トップバッターの私は、交差点での坂道発進や市街地の狭い道がある、ちょっぴり面倒なAになってしまった。それでも他の人の運転を見る前に自分が終わってしまうのは悪くない、と切り替えて検定に臨むことにする。
…路上検定の様子は次回のお楽しみ。

2019年5月7日火曜日

二種免許取得への道(2)

前回の予告通り、実技の二回目。

一種免許にオートマチック限定があるように、二種にもオートマ限定がある。私の場合はもともとオートマ限定という制度ができる前に免許を取得していたし、会社には日産の「クルー」というMT車(タクシー専用車)がある。何かと「潰し」が効くだろうという理由で限定無しを選んだ。
自動車学校の教習車はトヨタのコンフォート。前回も書いたけど、いまやセダンなど「普通の乗用車」で、MT車の設定がある車種は数えるほどしかない。本来タクシー用の車両として開発されたコンフォートは、教習車としても打ってつけ。コンパクトで小回りが効き、車体の見切りが良いので、とても運転しやすい(その代わり自動車学校ではプリウスには一度も乗せてもらえなかったw)。
免許取得後10年以上もMT車(スズキの初代エスクード、ショートボディ)を運転していたし、その後もちょくちょく乗る機会があった。半クラッチの位置さえ掴めれば恐れることはな…い……あ、あれ?どうも調子がおかしい。初日は2回もエンストしたし、坂道発進もギクシャク…基本、左車線の中央を走って、出発の時は左右の確認、曲がろうとする場所の30メートル手前でウインカーを出して、さらに車線変更の3秒前にウインカー。左折時は巻き込み確認、あそこの曲がり角までに20キロまで減速して、その時のギアはセカンドで、その他諸々、注意しなければならない項目が多すぎて、どうしてもアクセルとクラッチの操作まで神経が行き届かない。それもこれも「慣れ」が必要なのだけれど、そして卒検までには何とか慣れたのだけれど、自動車の運転はことほど左様(さよう)にたくさんのことに注意しなければならない、というコトを思い知った。

幸い、ハンドルの握り方などの操作については「素直な方」と言われた。クルマを長い間運転していると、個性とも呼ぶべき変な癖がつく。一般に「内巻き(内かけ)」と言われる、ハンドルの内側から握る回し方や、「たぐりハンドル」、左折時の不要な大回りなどがそれ。操作のうえで全く合理性が無く、いざという時に素早い操作を難しくさせる。人によっては直すのに苦労するのだそうだ。

二種免を取るために、同じ日に自動車学校へ入学したのは私を含め3人。教官にも二種を教える資格というのがあって人数が少ない。カリキュラムも二種専用のスケジュールが組まれていて、自動車学校側も同時に受け入れられる人数には制限がある。年度末に向かう2月は一種と併せて取得希望者が多いらしく、入校までに3週間ほどの待ちがあった。その期間のコトはまた改めて。
同期入校の他の2人は福岡市内の大手タクシー会社から来ていた。自動車学校は南鳥栖を指定されたものの、費用は自己負担らしい。さらに一人は宗像だか中間だか、かなり遠方からの「通学」。JRの定期券を購入し、往復3時間ほどを掛けて通っていた。人それぞれの「想い」を込めての二種免許取得だ。
ちなみに前の週に入学した3人も、同じ大手タクシー会社の人。どこもドライバー不足に悩まされてるという話をよく聞くけど、2週間で5人は単純にすごいと思う。

次回も実技について、その3。

2019年5月5日日曜日

二種免許取得への道(1)

さてブログ二日目。「隔日更新を目指す」なんて書いておきながら、いきなり1回飛ばし
てしまった。
待機時間中に文章を書ければ何ということはないのだけれど、タクシードライバーなりたての私の場合、そんな余裕はナシ。もともと直感的にチャッチャと文章を書けるタチではないので、なかなか思うに任せない。それに加え、ちょっと疲れ気味だった。無理は禁物。

今日は、タクシードライバーに必要な「普通自動車二種免許」について。その1回目として、概論(?)と実技について。

ふつう、18歳になって取る免許は一種免許。「二種」になると、営業目的の車両(つまり緑ナンバーのクルマ)に、お客さまを乗せて走ることができる。タクシーのほか、バスや代行運転のドライバーは、みんな二種免許を持っていることになる。一種免許取得後3年以上を経過した21歳以上の人が有資格者。
取得の方法は
1)自動車学校を卒業して実技試験免除
2)免許試験場で実技試験(いわゆる一発試験)
の二種類がある。どちらも最終的には免許試験場で学科試験を受けなければならない。どっちで取るかは本人の自由だが、「取得費用は会社負担」という場合、入ろうとするタクシー会社が指定することが多いんじゃないかしらん。ただし例えば3年以内に退社した時などは費用を請求される(3年縛り、なんて言われる)ので、注意が必要。

私は会社指定の南鳥栖自動車学院に通った。18の時に一種免許を取ったのもココ、という思い出の場所でもある。当時は「教習車はクレスタ!」というのがウリだった。現在は「教習車はプリウス」と謳っている。考えてみれば、クレスタみたいなミドルクラスの乗用車に、普通にマニュアル(MT)車の設定があったってのは、イイ時代だったな~と思う…あ、若い人にクレスタつっても通じないのかwww

自動車学校で卒検までに必要なのは実技21時間、学科19時間(普通免許を持っている人の場合。大型免許保持者は実技が3時間少なかったりする。詳細は省略)。一日中ギッシリ詰まっているわけではなく、また一コマも入っていない日もあったので、都合3週間で卒検に合格した。途中の見極めはオールクリアで補習は無し。取りあえず最短で卒業したことになる。

実技で一種との最大の違いは、卒検の時に「鋭角」「指定場所での停車」があること。
前者は30度ぐらいの鋭角なコースを、3回以内の切り返しで通過しなければならない。ただし、道幅はあるので、車体感覚さえきちんと把握していて、慌てさえしなれば大した問題ではない。
後者は、路上で「次の30キロ制限の標識の横で止まって」「次の信号までの間に、安全な場所に止めて」などと指示される。タクシーでの乗務を想定したもので、例えばバス停から10メートル以内など「駐停車禁止」の場所で止めてしまうと即、検定中止になるので、コース内にある該当場所をあらかじめ頭に入れておかなければならない。

実技教習では技術的なことより、一旦停止や確認などの「キホンのキ」を徹底される。またいずれ書くことになると思うけど、タクシーを運転するに当たっては本当に大切なことだ。
技術的なことでも教えてもらったことがあるけど、こちらもまた改めて。教官は「プロらしい、スマートな運転」って言ってたけど、なかなか難しいんだ、これが。

次回は実技について、その2。